技術紹介


きれ屋のしごと

「日々の暮らしの中に手ぬぐいのある風景を」

伝えたい想いをてぬぐいの模様に託し、人々に届ける。そんなお手伝いを「きれ屋」はさせていただきます。


そのために、知っていただきたい事があります。

風合い、用途、デザイン、ご予算。手ぬぐいは、その作り方によって変わってきます。

「きれ屋」では、お客様のご希望に沿えるようなご提案をいたします。


【手ぬぐいができるまで】

手ぬぐいは多くの専門職人の手を経て出来上がります。
「きれ屋」はクライアント様とのフロントに立ち、それぞれの職人と連携し、お客様の”想い”を最適なカタチにするお手伝いをいたします。  ※そのような役割を、江戸時代には”悉皆屋”(しっかいや)と呼んでいました。

①織物

織物

綿などの糸を縦横交互に編み込み、手ぬぐいのベースとなる生地を織り上げます。
織り上がったばかりの生地(生機、きばた)は、植物由来の綿花の成分がついているので薄い茶褐色です。糸に糊をつけて布を織るのでゴワゴワしています。

②精錬

精錬

大きな容器に生地を入れ、1〜2日煮ながら、糊抜きや精錬、漂白などをします。
この作業を「晒し」といます。晒された手ぬぐい生地は、柔らかく白くなります。

③デザイン作成

デザイン作成

手ぬぐいにしたい図案をご相談のうえ、コンピュータや手描きで作成します。

お客様の”想い”をオリジナルなデザインで表現いたします。


④型制作

型制作

デザインをもとに型を制作し、それを生地の上に置いていきます。
シルクプリントの場合は、版を作成します。

⑤染め工程

染め工程

生地にデザインを染め付けます。
様々な染色方法(注染、シルクプリント、インクジェットなど)がありますので、以下に詳しくご説明します。

⑥アセンブリ

アセンブリ

完成した手ぬぐいは、生地を丁寧に畳み、1つ1つ検品します。
さいごに、個包装や箱詰めなど、ご希望の包装方法で仕上げます。



【染め方】

手ぬぐいの染め工程は、その製品の風合いを大きく左右する重要な工程です。
それぞれの染め方によって、手ぬぐいの表情が大きく変わってきます。

①注染

注染

日本の伝統的な染色技法で、一枚一枚手作業で染め上げるため、一点一点に微妙な違いが生じます。

グラデーションやぼかしといった繊細でやわらかな表現が可能で、奥行きのある豊かな色合いが特徴です。

全ての工程を手作業で行うため、手間と時間が掛かり大量生産には向きませんが、一点ものの価値の高い手ぬぐいが作れます。

(注染の作り方:詳細はこちら)

②シルクプリント

シルクプリント

型を使って機械で染めるため、大量生産に向いています。

染料が生地の表面に密着するため、鮮やかな発色になり、シャープな柄を出すことができ、複雑な柄にも対応できます。

100枚から染められますが、500枚以上だと経済的です。

③インクジェット

インクジェット

コンピューターでデザインした画像データを直接生地に噴射するため、短納期かつ小ロット生産に適しています。
写真のような高精細な画像を再現でき、また染料の消費量が少なく、水や化学薬品の使用量も抑えられるため、環境に優しいのが特徴です。


◇◇◇染め方の比較◇◇◇

特徴 注染 シルクプリント インクジェット
生産効率 低い 高い 高い
発色 柔らかく奥深い 鮮やかでシャープ 写真のような画像
柄の表現 繊細で個性豊か 複雑な柄も可能 高精細
価格 高め 中程度 中程度~高め
代表的な製品 高級な手ぬぐい
一点もの
一般的な手ぬぐい
浴衣
キャラクターなど
デザイン手ぬぐい
数量目安 200枚程度 100枚程度~ 10枚程度~
 

【生地】

どの染め方でも使用する生地は、すべて日本で織られた晒し木綿の生地を使用しています。
生地になる糸(原糸)は、海外で紡績された糸を使用し、
明治・大正時代からある小幅織物をおる織機で織られます。
近年ますますこのような機織り工場が減少しています。


まずは一度、お問い合わせください。

デザインを見せていただき、最適な方法を「きれ屋」がご提案いたします。